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女性の更年期事典 > 更年期障害の治療

更年期障害の診断基準

現在の医学では女性の更年期障害(更年期不定愁訴症候群)の定義は明確ではありません。少なくとも、女性の更年期に当たる年齢で、検査の結果に特定できる病気がないにも関わらず不定愁訴(ふていしゅうそ)がある場合に、更年期障害(更年期不定愁訴症候群)と診断されます。

更年期障害と紛らわしい症状の病気が隠れている場合がありますから、更年期障害の診断では「除外診断」による鑑別が重要になります。更年期障害と思い込んでしまうのも病気発見が遅れることに繋がります。おかしいなと思ったら、内科・神経内科・形成外科などの専門医や、ためらわずに婦人科・更年期外来の受診をしましょう。そして、定期健診もお忘れなく。

更年期障害の診断方法

更年期障害の診断方法には、除外診断、診断的投薬法、血液中のホルモン測定などがあります。

○更年期障害の診断方法:除外診断
更年期障害の症状と紛らわしい症状の病気の可能性を、該当する科の診察や検診で除外した後に、更年期障害(更年期不定愁訴症候群、卵巣機能低下によるホルモンのアンバランスによる病気)と診断する方法です。

○更年期障害の診断方法:診断的投薬法
HRT(ホルモン補充療法)を診断の目的で行い、症状が改善するかどうかで判断する方法です。

○更年期障害の診断方法:血液中のホルモン測定
血液中のホルモン量を測定する方法です。

医療機関では、これらの方法を総合的に実施・判定して、治療方法の方針を検討することになります。

更年期障害の治療方法

更年期障害の治療には、更年期障害の主原因が女性ホルモンの急激な減少のため女性ホルモンを補充するホルモン補充療法と、特定の症状を緩和する対処療法があります。

ホルモン補充療法(HRT)は、女性ホルモンを補充する治療方法です。重症のケースには非常に効果的とされています。
対処療法は、特定の症状に対する療法で、頭痛薬、睡眠導入剤、抗精神薬など症状を緩和する薬を服用します。また、漢方薬で体全体のバランスを整える治療や、心因性のものには心理療法も併用される場合があります。

更年期障害の治療の種類

更年期障害の治療には、西洋医学でのホルモン補充療法(HRT)や対処療法と、漢方治療などがあります。

○更年期障害の治療:ホルモン補充療法(HRT)
更年期障害の主原因(女性ホルモンの急激な減少)に対応して行われる女性ホルモンの補充をする治療です。エストロゲンとプロゲストーゲンの配合剤(薬)を服用する2剤連続併用服用法が主流です。この治療法では、子宮体部ガンは減少し、乳ガンは増加するという報告があります。この他、女性ホルモン補充療法は、アルツハイマー症候群や骨粗鬆症の発症率を低くするといわれています。過剰なエストロゲンは子宮ガンの要因と言われていますが、昔のエストロゲン単独投与とは異なり心配ないと考えられています。

○更年期障害の治療:薬物療法
自律神経薬、向精神薬、漢方薬などで体調を整えたり症状を緩和します。

○更年期障害の治療:心理療法
心因性の場合、カウンセリングなど心理療法を受けることで改善する女性もいます。

○更年期障害の治療:漢方治療
漢方は不定愁訴に強く、更年期障害の治療に適していると言われています。全身の状態を正すことで症状を軽くしていきますから、その効果は比較的ゆっくりです。
更年期障害と漢方

婦人科・更年期外来の受診のすすめ

更年期障害の症状は様々で個人差もあります。更年期の症状と紛らわしい病気もあります。だからこそ、更年期には思い切って婦人科を受診しましょう。最近では、更年期障害の専門外来も増えてきました。更年期外来の受診をしてみませんか?

次のような女性は、更年期外来の受診をしてみてはいかがでしょう?
○更年期障害かも?と気になる症状があるけれど婦人科を受診するのはためらいがある。
○症状が気になっているに、内科・整形外科などで「異常がない」「気のせい」といわれた。
○特にこれといった症状を感じないけれど、更年期にあたる年齢でなんとなく体の不調が気になる。

更年期外来の受診の流れ

更年期外来での初診の診察手順と内容はおよそ次のとおりです。検診結果が総合的に判断されて治療の方針が決められます。

○予診表
予診表は、いくつかの項目(現在の症状、既住暦、薬に関するアレルギーの有無、妊娠歴など)に回答する表で、通常は医師の診察前に自分で書き込みます。医師にとっての前情報になります。

○更年期指数表
「クッパーマン更年期指数」という海外で考案された指数を、日本人用に改良した更年期指数表が外来で多く利用されているようです。更年期指数表は、初診時だけでなく、治療効果を判定する目的でも使われます。
更年期症状のセルフチェック

○生活習慣質問表
日ごろの食生活や運動などの生活習慣に関する質問表です。生活習慣は、骨粗鬆症・高脂血症・動脈硬化症などの予測に大切な情報です。生活習慣を改善するだけでも症状の緩和・改善が認められるケースがあるそうです。

○自己評価式欲うつ性尺度(SDS)
更年期指数表と同じような質問表です。更年期に起こりがちな「うつ状態」の程度を点数化して判定します。
抑うつ度合いセルフチェック

○一般検査、血液検査、尿検査
身長・体重・血圧などの測定に始まり、スクリーニング検査(血液検査・尿検査)を行います。更に、ホルモン状態を判断するための採血をする場合もあります。

○骨密度測定
骨粗鬆症の傾向を判断する検査です。

○婦人科検診
一般に行われている婦人科検診と同じです。内診、超音波検査、子宮頸部がん検診、子宮大部(内膜)がん検診などがあります。
※子宮体部(内膜)がん検診は、HRT(ホルモン補充療法)の副作用のチェックに大切な検査でもあります。

○乳房検診
乳がんなどのチェックをする触診、マンモグラフィー(レントゲン検査)、超音波検査などがあります。
※乳房検診は、HRT(ホルモン補充療法)の副作用のチェックに大切な検査でもあります。

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