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女性の更年期事典 > 食品と栄養素の基礎知識

三・五・6大栄養素

糖質(炭水化物)・脂質・たんぱく質は三大栄養素と呼ばれ、生命維持に必須の栄養素です。これにビタミン・ミネラルを加えたものが五大栄養素。食物繊維を加えて6大栄養素と呼ばれています。水は栄養素とされていませんが、全て生物の生命維持に必要不可欠な最も大切な栄養素ともいえます。

○三大栄養素
糖質(炭水化物)脂質たんぱく質のことを三大栄養素といいます。糖質(炭水化物)と脂質は主にエネルギー供給源となり、たんぱく質はエネルギー供給源と筋肉や骨、血液、皮膚など身体を構成する成分となります。
○五大栄養素
三大栄養素にビタミンミネラルを加えたものを五大栄養素といいます。ビタミン、ミネラルは必要量としては微量ですが、ビタミン、ミネラルが欠乏すると三大栄養素が有効に働きません。
○6大栄養素
五大栄養素に食物繊維を加えたものを6大栄養素といいます。水溶性食物繊維は生活習慣病予防や腸内環境を改善し、不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を促進したり有害物質を吸着・排泄するとして第6の栄養素として注目されています。

糖質(炭水化物)とは

三大栄養素のひとつの炭水化物の糖質は、消化の良い速効性の高いエネルギー源になる栄養素です。特に分解されてできるブドウ糖は脳、中枢神経系、赤血球などの唯一のエネルギー源です。糖質は、摂りすぎると肥満や、糖尿病などの生活習慣病の原因になります。糖質は、ビタミンB1と一緒に摂ると効率よくエネルギーにすることができます。

○1g当たり4kcalの大切なエネルギー源です。
○炭水化物は糖質と繊維などからなっています。

糖質を含む食品と過不足
糖質の体内での働き

糖質を含む食品と過不足

○糖質が多く含まれている食品
ごはん・パン・麺類・果実類・いも類などの糖質が多い食品を糖質食品と呼びます。糖質は、差があるものの殆どの食品に含まれています。牛乳や野菜にも糖質が含まれています。なお、それぞれの食品によって糖質の種類が異なります。

○糖質の3つの種類
単糖類:ブドウ糖、果糖など
二糖類:ショ糖、乳糖、麦芽糖など
多糖類:でんぷん、グリコーゲンなど

○糖質を摂りすぎると
糖質を摂りすぎると、体脂肪として体内に貯えられるので、肥満、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。

○糖質が不足すると
糖質の補給が不足すると、肝臓のグリコーゲンを分解して補いますが、肝臓のグリコーゲンの蓄えがなくなると、筋肉のたんぱく質を分解してブドウ糖に変えて不足を補おうとします。それでも足りなくなると、体の脂肪を燃やしてエネルギー源にしようとしますが、糖質がないと脂肪だけではエネルギーを作れず、やはり糖質が必要とされるわけです。血糖(=血液中のブドウ糖の濃度)が異常に低下するとブドウ糖を唯一のエネルギー源にしている脳がエネルギー不足になり、意識を失うことがあります。また、体はブドウ糖不足を補おうとするあまり肝臓機能が低下したり、病気に対する抵抗力が低下したり、体のエネルギー不足で疲れやすくなったりします。

糖質の体内での働き

炭水化物の成分である糖質は、消化がよく速効性のあるエネルギー源で、グリコーゲンとして体内に貯蓄されます。血糖として体内を循環してエネルギーを供給したり、体を構成して、筋肉の運動や体温を維持します。
糖質は、消化されてブドウ糖などの単糖類に分解され、吸収され肝臓に入り、一部は血液に入って血糖(=ブドウ糖)として体内を循環してエネルギーを供給しますが、大部分のグリコーゲンは肝臓と筋肉に貯えられます。運動時や空腹時などには血液中の血糖(=ブドウ糖)だけでは足りなくなるので、肝臓にあるグリコーゲンが分解されて血液の血糖値を一定に保ちます。

脂質とは

三大栄養素のひとつである脂質は、主にエネルギー源になる栄養素です。また、血液の成分や細胞膜や粘膜の構成成分になり、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収を助けます。グラム当たりのとエネルギー量(カロリー)が高いので、脂質を摂りすぎると肥満になりやすく生活習慣病のリスクが高まります。その為、脂質を摂取するに当たっては量と質が問われます。

○1g当たり9kcalの効率のよいエネルギー源です。

脂質を含む食品と過不足
脂質の体内での働き
必須脂肪酸とは

脂質を含む食品と過不足

○脂質が多く含まれている食品:
・飽和脂肪酸:パルチミン酸・ステアリン酸・ミリスチン酸・ラウリル酸:バター、ラード、ヘッド
・不飽和脂肪酸(一価不飽和脂肪酸・n-9系):オレイン酸:オリーブ油
・不飽和脂肪酸(多価不飽和脂肪酸・n-6系):リノール酸:コーン油、サフラワー(紅花)、ひまわり油
・不飽和脂肪酸(多価不飽和脂肪酸・n-3系):α-リノレン酸、EPA・DHA(α-リノレン酸:えごま油、シソ油EPA・DHA:魚油)

○脂質を多く摂りすぎると
脂質は糖質と同じく取りすぎると体内に脂肪として貯えられるので肥満の原因になります。

○脂質が不足すると
不足しすぎると、血管や細胞膜が弱くなったり、肌荒れの原因になります。

脂質の体内での働き

脂質には、コレステロール・中性脂肪などの幾つかの種類があり、いずれも体に必要なものです。食品に含まれる脂肪は、唾液のリパーゼ(脂肪分解酵素)で一部分解され、脂肪の大半は小腸で吸収されます。胆汁・腸液・膵液に含まれるリパーゼは脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解し体内に吸収します。食品中の脂肪の多くは中性脂肪として体内に蓄積され、エネルギーが必要になると、体内の中性脂肪が分解されエネルギーになります。脂肪酸には体内で合成されず食品から摂取しなければならない必須脂肪酸と呼ばれる脂肪酸があります。

必須脂肪酸とは

必須脂肪酸(リノール酸・α-リノレン酸・アラキドン酸)は、体内で合成されないので食品から摂らなければなりません。欠乏すると皮膚炎・腎障害・小腸繊毛の形成障害などが起きます。肉・卵・魚に含まれるアラキドン酸が多すぎると血液の凝固・溶解に障害をきたして動脈硬化・高血圧・アレルギー疾患などのリスクが高まります。

必須脂肪酸は、体内ではn-3系とn-6系の2つに分けられます。片方が多くなるともう片方の働きが弱くなります。n-6系のリノール酸はγ-リノレン酸を経てアラキドン酸に変わります。そのため、高脂血症の予防に注目のリノール酸も、過剰摂取に問題があり、n-3系の脂肪酸とのバランスが肝心といわれています。n-3系のα-リノレン酸はEPA・DHAに変わります。

たんぱく質とは

三大栄養素のひとつであるたんぱく質は、筋肉・皮膚・臓器・ホルモン・酵素・免疫体などを構成する重要な栄養素です。たんぱく質は、エネルギー源にもなりますが、糖質・脂質と一緒に摂って本来の働きを得ることが肝心です。たんぱく質の摂取量が多いと、体内では糖質・脂肪として蓄積されます。

○1g当たり4kcalのエネルギー源です。
たんぱく質を含む食品と過不足
たんぱく質の体内での働き
必須アミノ酸とは

たんぱく質を含む食品と過不足

○たんぱく質が多く含まれている食品:
肉・魚介類・卵・大豆製品・乳製品など、たんぱく質が多い食品をたんぱく質食品と呼びます。

○たんぱく質を多く摂りすぎると
たんぱく質の摂りすぎは、腎臓に負担がかかり、カルシウムの尿中排泄量が増加して骨粗鬆症の危険因子になります。また、動物性たんぱく質は動物性脂肪やプリン体を多く含むため、高脂血症の危険因子にもなります。プリン体は痛風の引き金になります。たんぱく質を取りすぎると体内に糖質・脂肪として貯えられるので肥満の原因になります。

○たんぱく質が不足すると
たんぱく質が不足すると、成長阻害・生理不順・下痢・むくみ・食欲不振・疲労など全身にわたる不調が現れます。

たんぱく質の体内での働き

たんぱく質は、消化されてアミノ酸に分解され小腸で吸収されます。体のそれぞれの組織のたんぱく質に合成され、それらの細胞の主成分になります。細胞は、アミノ酸を補給して常に新陳代謝を繰り返して新旧交代がされます。体の14~19%を構成するたんぱく質は、水分に次ぐ多い量です。アミノ酸には体内で合成されず食品から摂取しなければならない必須アミノ酸と呼ばれるアミノ酸があります。

必須アミノ酸とは

必須アミノ酸は、体内で合成されないので食品から摂らなければなりません。必須アミノ酸は、イソロイシン・ロイシン・リジン・メチオニン・フェニールアラニン・スレオニン・トリプトファン・パリン・ヒスチジンの9種類からなります。必須アミノ酸の全てが揃って初めてたんぱく質を合成できます。合成に関わらなかった残りのアミノ酸は尿素・グリコーゲンなどに変わります。各たんぱく質食品が含むアミノ酸の種類や量が異なるため、それぞれ欠けているアミノ酸を補うような組み合わせが必要になります。その為に、食品のアミノ酸スコアを利用する方法があります。アミノ酸スコアは、食品に含まれる9種類の必須アミノ酸の必要量を基に、各食品にどれだけバランス良く含まれているかを評価した数値のことです。最高値は100。数値が高いほど必須アミノ酸がバランス良く含まれていることになります。

食品のアミノ酸スコア100点:鶏肉、豚肉、牛肉、牛乳、鶏卵、いわし、さけ
食品のアミノ酸スコア80点台:あさり、えび、大豆
食品のアミノ酸スコア70点台:いか
食品のアミノ酸スコア60点台:精白米、じゃがいも

動物性たんぱく食品が上位にありますが、動物性たんぱく質食品と植物性たんぱく質食品の組み合わせを考えた食事が望まれます。

ビタミンとは

五大栄養素のひとつであるビタミンは、三大栄養素の働きを助け体の機能を調節するのに不可欠です。ビタミンの種類は多く、微量で体内で働き、各ビタミンの生理作用(役割)は異なります。ビタミンは、ビタミンそれぞれの生理作用(役割)は違っても、連携してお互いの作用を促進したり強化したりする栄養素です。幾つかのビタミンに薬理作用があるとされ、現代人はB1不足ともいわれています。

ビタミンは、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分類されます。
○脂溶性ビタミン:ビタミンA・D・K
○水溶性ビタミン:ビタミンB群(B1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・葉酸・コリン)・ビタミンC

脂溶性ビタミンは、体に蓄積されやすいので過剰摂取には注意を要します。水溶性ビタミンは、摂り過ぎてもすぐに排出されるので過剰摂取による心配は殆どないとされています。ビタミンB群は一つ不足すると作用しない組み合わせがあり、全体をバランスよく摂取することが必要です。また、ビタミンB群の大半は体内に蓄積できないため、常に補う必要があります。

ビタミンA ビタミンD ビタミンE ビタミンK ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 パントテン酸 ビオチン コリン ビタミンC

ビタミンA(レチノール)とは

ビタミンA(レチノール)は脂溶性ビタミンに分類されます。動物性食品に含まれるレチノールは、体内でそのままビタミンAとして働き、植物性食品に含まれるプロビタミンAとしてのβ-カロテンは、体内でビタミンAの作用だけでなく、抗酸化作用・抗癌作用・免疫賦活作用が知られています。レチノールは摂りすぎると過剰症が現れるので注意が必要で、β-カロテンは必要な分だけビタミンAになる特色があるので過剰症はないとされています。

○ビタミンAを多く含む食品:鶏レバー、マーガリン、モロヘイヤ、ウナギの蒲焼、パセリ、人参、春菊、バター、小松菜、鶏卵、干しワカメ、ニラ、ほうれん草、プロセスチーズ、サニーレタス、赤ピーマン
○β-カロテンを多く含む食品:モロヘイヤ、パセリ、人参、ほうれん草、春菊、小松菜、ニラ、サニーレタス、赤ピーマン、カボチャ、ブロッコリー
○ビタミンAの働き:
・視覚色素の生成
・皮膚・粘膜組織のたんぱく質代謝
・細菌性疾患に対する抵抗力を高める。
・ガン疾患の予防(β-カロテンがガン予防になるとされています。)
○ビタミンAが欠乏すると:
ビタミンAが欠乏すると粘膜が乾燥しやすくなります。
夜盲症(鶏目)や角膜乾燥症などの視力障害、皮膚のカサツキ、鼻・気管支・胃腸の粘膜が弱くなって口内炎や胃腸障害、抵抗力が低下して風邪などの伝染病にかかりやすくなります。
○ビタミンAを多量摂取すると:
レチノールの大量摂取で頭痛・吐き気などの副作用が出ることがあり、妊娠中や妊娠前の大量摂取で「脳や心臓に先天性異常のある子供を生むリスクが高まる」といわれています。

ビタミンD(カルシフェロール)とは

ビタミンD(カルシフェロール)は脂溶性ビタミンに分類されます。ビタミンDは、体内で活性型ビタミンDに変わり、カルシウムとリンの代謝を司り、骨や歯の形成に関係する栄養素です。活性型ビタミンDは紫外線で作られるので、日光によく当たることが必要です。ビタミンDには、植物性食品に含まれるビタミンD2と、動物性食品に含まれるD3がありますが、大体同じ作用をします。

○ビタミンDを多く含む食品:
きくらげ、サケ、メカジキ、カレイ、マグロ(脂身)、ニジマス、ウナギ、サバ、サンマ、カツオ、サワラ、アユ(養殖)
○ビタミンDの働き:
骨や歯の形成に必要なカルシウム・リンの代謝調節
○ビタミンDが欠乏すると:
下痢・発熱など初期症状に始まり、骨粗鬆症、骨軟化症(成人)、クル病(小児)
○ビタミンDを多量摂取すると:
ビタミンDの大量摂取で臓器や血管壁にカルシウムが沈着し、動脈硬化のリスクが高まります。

ビタミンE(トコフェノール)とは

ガンなどの生活習慣病の原因になるといわれる活性酸素の除去の働きをします。また、老化防止ビタミンといわれ、細胞などの酸化を防ぎます。ビタミンCを同時摂取すると、この効果が高まります。

○ビタミンEを多く含む食品:
アーモンド、モロヘイヤ、ウナギ(蒲焼)、カボチャ、赤ピーマン、アボガド、ほうれん草、キンキ、イカ、ブリ、さつま芋、サケ
○ビタミンEの働き:
・脂質の抗酸化
・細胞壁・生体膜の機能維持
・血行促進作用(血管保護作用)
・ホルモン分泌調整作用
・抗血栓作用
・動脈硬化の予防
・ガンの発生を抑制
・老化防止
○ビタミンEが欠乏すると:
血行障害や老化現象の促進、不妊や癌のリスクが高まります。
溶血性貧血、神経機能低下、筋無力症、脳軟化症
○ビタミンEを多量摂取すると:
ビタミンEは脂溶性ビタミンですが、摂取過剰による害はないとされています。

ビタミンK(フィロキノン)とは

ビタミンK(フィロキノン)は脂溶性ビタミンに分類されます。ビタミンKは、血液凝固作用に加えて、たんぱく質に関わる酵素の補酵素になります。更に、ビタミンDと連携して骨形成に働きかけます。ビタミンKは緑黄色野菜に含まれるビタミンK1と、微生物によって合成されるビタミンK2があります。ビタミンK2は納豆に多く含まれ、腸内細菌からも作られます。

○ビタミンKを多く含む食品:
納豆、モロヘイヤ、アシタバ、カブの葉、メキャベツ、小松菜、春菊、ニラ、ダイコンの葉、ほうれん草、ブロッコリー
○ビタミンKの働き:
・血液凝固促進
・骨形成に関与
・骨粗鬆症の防止
○ビタミンKが欠乏すると:
血液が凝固しずらくなって、怪我をした時になかなか出血が止まらない。
出血傾向、血液凝固遅延
○ビタミンKを多量摂取すると:
血栓症や血液凝固剤を服用している場合は、ビタミンKの摂取量に制限が加えられます。

ビタミンB1(サイアシン)とは

ビタミンB1(サイアシン)は水溶性ビタミンに分類されます。食品中のビタミンB1効力を持つチアミンは、体内でTDPという補酵素になり、糖類の代謝を促す酵素の補酵素として働きます。TDPの一部は、TTPになり、神経機能に役立つといわれています。
ビタミンB1が欠乏すると、糖質がうまく分解されずに乳酸などの疲労物質が溜まって疲れやすくなります。更に欠乏が進むと脚気になります。

○ビタミンB1を多く含む食品:
豚肉、ロースハム、玄米、胚芽精米、日本ソバ、ライ麦パン、モロヘイヤ
○ビタミンB1の働き:
・糖質(炭水化物)の代謝、アルコールの分解
・疲労回復
・イライラ防止
○ビタミンB1が欠乏すると:
倦怠感、食欲不振、精神不安定、記憶力低下、浮腫などを伴う脚気(かっけ)、ウェルニッケ脳症(中枢神経障害)

ビタミンB2(リボフラビン)とは

ビタミンB2(リボフラビン)は水溶性ビタミンに分類されます。様々な酸化還元酵素の補酵素として栄養素の代謝に関わっています。皮膚・爪・髪を作り、成長促進させる働きをします。不足すると、目や粘膜に影響が現れます。また、過酸化脂質の蓄積を防ぐので生活習慣病の予防になります。

○ビタミンB2を多く含む食品:
豚レバー、魚肉ハム、納豆、丸干しイワシ、サバ、鶏卵、ししゃも、モロヘイヤ、かれい、プロセスチーズ
○ビタミンB2の働き:
・脂肪・糖質の代謝、ほか新陳代謝
・肥満・糖尿病・動脈硬化など生活習慣病の予防
○ビタミンB2が欠乏すると:
疲れ目、眼球炎、角膜炎、口内炎、口唇炎、舌炎、成長障害

ナイアシン(ニコチン酸)とは

ナイアシン(ニコチン酸)は水溶性ビタミンに分類されます。ナイアシンは、体内で同作用のニコチン酸・ニコチン酸アミドなどの総称です。ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれ、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に不可欠なビタミンです。ナイアシンは極めて多くの酸化還元酵素の補酵素として重要な役割をします。ナイアシンの体内での作用は、ビタミンB1・B2・B6が不足すると低下します。また、アルコールを飲むほどナイアシンが消費されます。ナイアシンはNAD依存性DNAリガールの補酵素として働きます。DNAリガールはDNAが壊れたときに修復する重要な酵素です。

○ナイアシンを多く含む食品:
カツオ、豚・牛レバー、鶏肉、マグロ(赤身)、丸干しイワシ、ブリ、サワラ、真イワシ
○ナイアシンの働き:
・糖質・脂質・たんぱく質の代謝
○ナイアシンが欠乏すると:
皮膚炎、下痢、精神神経障害を伴うペラグラ、口舌炎、胃腸障害
○ナイアシンを多量摂取すると:
ナイアシンはインスリン合成と関係があり糖尿病の因果関係が深いとされています。ナイアシンを大量に摂取すると糖質の処理能力を阻害するともいわれています。

ビタミンB6(ピリドキシン)とは

ビタミンB6(ピリドキシン)は水溶性ビタミンに分類されます。ビタミンB6は、主にアミノ酸を変化させる多くの酵素の補酵素として働きます。たんぱく質の量が増すほど必要量が増します。また、脂質の代謝、神経伝達物質の生成に関与し、赤血球のヘモグロビンの合成、免疫機能を正常に働きかけます。腸内細菌でも合成されますので、通常の食事をしていれば欠乏症の心配はありません。

○ビタミンB6を多く含む食品:
マグロ(赤身)、鶏むね肉、牛レバー、カツオ、鶏レバー、豚もも肉、真イワシ、ブリ、アジ、バナナ、アボガド、ジャガイモ
○ビタミンB6の働き:
・たんぱく質の代謝、脂質・糖質の代謝
・老化防止
○ビタミンB6が欠乏すると:
皮膚炎、動脈硬化性血管障害、貧血、末梢神経炎、シュウ酸結石

ビタミンB12(コバラミン)とは

ビタミンB12(コバラミン)は水溶性ビタミンに分類されます。ビタミン12は、体内で様々な酵素の補酵素として働きます。アミノ酸・脂質の代謝や神経伝達物質の生成などに関与します。リボヌクレオチド還元酵素の補酵素としてDNA構成成分の供給を促します。ビタミンB12は、体内で最も少ないビタミンで、葉酸に作用して赤血球のヘモグロビン合成を助け、悪性貧血の予防になります。

○ビタミンB12を多く含む食品:
しじみ、アサリ、筋子、牛レバー、牡蠣(カキ)、ホタルイカ、ハマグリ、ホッケ、サンマ、真イワシ、カツオ、アジ
○ビタミンB12の働き:
・赤血球の育成、アミノ酸の代謝、たんぱく質・核酸の生合成
・食欲や体力増進
○ビタミンB12が欠乏すると:
悪性貧血、神経障害(知覚障害、頭痛、神経痛など)

葉酸(プテロイルグルタミン酸)とは

葉酸(プテロイルグルタミン酸)は水溶性ビタミンに分類されます。葉酸は、造血に必要なビタミンです。また、細胞代謝が大きい腸管粘膜などは、葉酸不足で細胞ができずに潰瘍ができることがあります。そして、細胞ができる際に、葉酸は遺伝子や核酸の合成に関わっています。葉酸はビタミンCで活性化しますが、ビタミンCの大量摂取で葉酸が排泄される量が増すため、ビタミンCを多く摂っている場合は、葉酸も多く摂る必要があります。

○葉酸を多く含む食品:
アスパラガス、大豆、牛レバー、トウモロコシ、キャベツ、小麦粉、落花生(ピーナッツ)、白米、玄米、レタス、マッシュルーム
○葉酸の働き:
・血球の再生、アミノ酸の合成
・貧血防止、脳の発育
○葉酸が欠乏すると:
巨赤芽球性貧血、口内炎、舌炎、下痢、成長障害

パントテン酸(ビタミンB5)とは

パントテン酸(ビタミンB5)は水溶性ビタミンに分類されます。パントテン酸はビタミンB5とも呼ばれ、体内で糖や脂肪酸の代謝に関わる酵素の補酵素として働きます。抗ストレス作用があり、善玉コレステロールを増やします。また、パントテン酸は、ビタミンB6・葉酸と一緒で免疫力強化になります。パントテン酸は体内の腸内細菌によっても合成されます。

○パントテン酸を多く含む食品:
大豆、さつま芋、鶏卵、牛レバー、落花生(ピーナッツ)、食パン、牛乳、白米
○パントテン酸の働き:
糖や脂肪酸の代謝に関わる酵素の補酵素の働きをする
○パントテン酸が欠乏すると:
皮膚炎、副腎障害、抹消神経障害、抗体生産障害、成長阻害

ビオチン(ビタミンH)とは

ビオチン(ビタミンH)は水溶性ビタミンに分類されます。ビオチンは、体内で二酸化炭素の固定・脱離・転移を司る酵素に結合して補酵素の働きをします。ビオチンはパントテン酸と共に酵素を作って、糖質と脂質の橋渡しをしながらエネルギーを取り出す働きをしますが、生卵白中のアビジンというアンチビタミンはビオチンと結合して、ビオチンの胃・腸での吸収を阻害します。ビオチンは、体内の腸内細菌によっても合成されます。

○ビオチンを多く含む食品:
牛・豚レバー、落花生(ピーナッツ)、クルミ、鶏卵、大豆、カリフラワー、タマネギ、イワシ
○ビオチンの働き:
糖質・脂質・たんぱく質の代謝
○ビオチンが欠乏すると:
白髪、脱毛、食欲不振、皮膚炎、筋肉痛、けいれん

コリンとは

コリンは水溶性ビタミンに分類されます。コリンは、血管を拡張させて血圧を下げるアセチルコリンの材料になります。コリン・不飽和脂肪酸・リン脂質でレシチン(細胞膜を作る)が作られるため、コリンは重要なビタミンです。

○コリンを多く含む食品:
豚・牛レバー、鶏卵、大豆、エンドウ豆、豆腐、玄米、さつま芋、とうもろこし、牛乳
○コリンの働き:
レシチンとアセチルコリンの材料となり、脂肪肝予防、コレステロールの正常化をします。
○コリンが欠乏すると:
コリンとレシチンが不足すると、神経・細胞の力が衰え全身疲労につながります。また、コリンは脳の記憶形成を高める働きもあり、コリン欠乏による精神・神経の病気もあります。

ビタミンC(アスコルビン酸)とは

ビタミンC(アスコルビン酸)は水溶性ビタミンに分類されます。ビタミンCは、体内で水溶性の抗酸化作用物質として重要な働きをします。また、コラーゲンの生成に不可欠なビタミンで、コラーゲンは細胞の接着剤として働いて血管・臓器・筋肉を作り、発ガン物質のニトロソアミンの生成を抑えます。コレステロールなどの脂質代謝、生体異物(ウィルスなど)の除去、無機鉄(鉄・銅など)の吸収、ヘモグロビンの合成を助ける、など様々な働きをします。ストレスの多い人はビタミンCを多くとる必要があり、タバコ1本当たり25mgのビタミンCが消耗されます。

○ビタミンCを多く含む食品:
柿(かき)、ネーブルオレンジ、赤ピーマン、ブロッコリー、イチゴ、小松菜、ほうれん草、モロヘイヤ、カリフラワー、レンコン、夏みかん、はっさく、ジャガイモなどの芋類、お茶の葉
○ビタミンCの働き:
・コラーゲンの合成を促進することで、血管や骨の成長を促す
・鉄の吸収を手伝う
・白内障による視力低下予防
・免疫力を上げて風邪をひきにくくする
・発ガン物質を抑える
・ストレス緩和
・美肌効果
・便秘解消
○ビタミンCが欠乏すると:
ウィルスや細菌に対する抵抗力の低下、イライラ、肌荒れ、皮下出血、歯肉からの出血、骨形成不全、貧血、壊血病

ミネラルとは

五大栄養素であるミネラルは三大栄養素の働きを助け、体の機能調節に不可欠です。ミネラル不足で全身の機能が低下します。有機化合物のビタミンと違い、ミネラルは元素そのものです。体の約96%は炭素・窒素・水素・酸素の4元素(有機質の構成要素)で構成されています。それ以外の生体元素を総称してミネラル(無機質)と呼びます。ミネラルは、体の細胞を構成する体構成分として約4%存在し、体調節機能として様々な代謝活動に関わっています。ミネラルは、体内で生成できないため、食物から摂る必要があります。ミネラルの欠乏また過剰な摂取は様々な機能障害を招きます。

○体構成分として
・骨や歯の組織の構成分
・細胞膜に含まれる核酸などの組織の構成分
・血液やホルモン・酵素を構成する構成分
・ほか、体組織に不可欠とされる成分の構成分
○体調整機能
・血液や体液の浸透圧・酸アルカリ平衡・水分平衡を正常に保つ
・筋肉の働きを正常に保つ
・血液の凝固・酵素反応が機能するための役割
・神経や筋肉が機能するための役割
・ほか、体機能に不可欠とされる役割

○栄養素として不可欠な16種類のミネラルを必須ミネラルといいます。
カルシウム(Ca) リン(P) マグネシウム(Mg) ナトリウム(Na) カリウム(K) 塩素(Cl) 鉄(Fe) 銅(Cu) 亜鉛(Zn) セレン(Se) マンガン(Mn) ヨウ素(I) コバルト(Co) イオウ(S) モリブデン(Mo) クロム(Cr)

カルシウム(Ca)とは

カルシウム(Ca)は必須ミネラルのひとつです。日本人のカルシウム摂取量は欧米に比して低く、毎日カルシウムを摂る心がけが必要な大切なミネラル(栄養素)の一つです。カルシウムは骨・歯などの構成分として体内にあるカルシウムの99%を占めます。残りは、血液などの体液・筋肉・神経などの組織に存在します。神経系、筋肉系の働きを司るミネラルで、血液を凝固に関与するなど生命維持・活動に重要な栄養素です。

○ビタミンDの作用でカルシウムの吸収が促進されます。
○カルシウムとリンの摂取が1:2~2:1の間でカルシウムの吸収が良く、リンの摂取がこの範囲を超えるとカルシウムの吸収が悪くなります。(添加物としてリンが含まれている清涼飲料水・インスタント食品・加工食品の摂りすぎに注意が必要です。)
○血液中には一定の量が必要で、血液中のカルシウムが減少すると、骨からカルシウムを補おうとして、骨からカルシウムが溶け出して骨内のカルシウム量が減少します。
○女性ホルモンは骨からのカルシウム流出を抑制します。閉経後に女性ホルモンは急激に減少します。
○骨に力が加わるとカルシウムの吸収が促進されるので、適度な運動はカルシウム吸収に役立ちます。

○カルシウムを多く含む食品:
小魚、干しエビ、牛乳、乳製品、海藻類、ひじき、切干大根、ゴマ、緑黄色野菜
○カルシウムの働き:
・骨・歯などの硬組織の構成分
・血液を弱アルカリ性にする
・血液の凝固作用に関係する
・心筋の収縮作用を増す
・筋肉の興奮性を抑制する
・刺激に対する神経の感受性を鎮静する
・トリプシンなどの酵素作用を活性化する
・鉄の代謝促進をする
○カルシウムが欠乏すると:
カルシウム不足で骨や歯がもろくなるのはもちろんのこと、血管を老化させて高血圧・動脈硬化・心臓病・脳血管障害などの引き金になります。
骨粗鬆症、歯がもろくなる、神経過敏症、骨の発育障害、テタニー(血清カルシウム低下で起こるけいれん症状)
○カルシウムを多量摂取すると:
ビタミンDの多量摂取による高カルシウム血症、泌尿器系結石、他ミネラルの吸収阻害

リン(P)とは

リン(P)は必須ミネラルのひとつです。リンは、カルシウムやマグネシウムと共に骨・歯などの構成します。リン脂質・核酸の構成分でもあります。また、ビタミンB1・B2などと結合子補酵素になり糖代謝を円滑にする働きもあり、肝臓・心臓が正常に働くよう作用します。

○カルシウムとリンの摂取が1:2~2:1の間でカルシウムの吸収が良く、リンの摂取がこの範囲外になるとカルシウムの吸収が悪くなります。(添加物としてリンが含まれている清涼飲料水・インスタント食品・加工食品の摂りすぎに注意が必要です。)

○リンを多く含む食品:
肉類、魚介類、卵黄、牛乳、乳製品、ごま、そば
○リンの働き:
・骨・歯などの硬組織の構成分
・リン脂質・核酸の構成分
・血液中で、血液の酸アルカリ均衡の働きをします。
・糖代謝を助けます。
・ATPなどの高エネルギーリン酸化合物を作ってエネルギーを貯蓄します。
○リンが欠乏すると:
通常の食品に十分なリンが含まれているので、通常の食事で不足する心配はありません。
骨粗鬆症、新陳代謝の低下、倦怠感、筋力の低下
○リンを多量摂取すると:
軟組織のカルシウム沈着、副甲状腺機能亢進、骨代謝障害、腎臓機能の低下

マグネシウム(Mg)とは

マグネシウム(Mg)は必須ミネラルのひとつです。体内のマグネシウムは主にリン酸マグネシウムとしてカルシウムと共に骨や歯に存在します。残りは、筋肉・脳・神経に存在し、筋肉にあるマグネシウムの量はカルシウムの3~5倍です。

○マグネシウムが骨から流出する時はマグネシウムの5倍のカルシウムが流出します。カルシウムと共にマグネシウムを十分に摂取することが骨粗鬆症の予防になります。
○マグネシウム投与で高血圧・動脈硬化・糖尿病などの症状が改善されることがわかっています。
○慢性的なマグネシウム不足は虚血性心疾患を起こすことがわかっています。
○過食・ストレス・リン不足で、マグネシウムの尿中排泄量が増加します。

○マグネシウムを多く含む食品:
ひじき、魚肉類、バナナ、アボガド、ほうれん草、アーモンド、落花生(ピーナッツ)、海藻類、大豆
○マグネシウムが欠乏すると:
通常の食品に十分なマグネシウムが含まれているので、通常の食事で不足する心配はありません。ただ、現代人はマグネシウムが含まれる穀物・豆類・海藻類の摂取が減少しており、不足になりがちのミネラル(栄養素)です。
骨粗鬆症、循環器疾患(特に虚血性心疾患)、神経過敏症、思考力の低下
○マグネシウムを多量摂取すると:
軟便、下痢など
マグネシウムは過剰にとっても腎臓から排出されます。ただし、腎臓障害のある人は注意が必要です。

ナトリウム(Na)とは

ナトリウム(Na)は必須ミネラルのひとつです。ナトリウムは、体液中に存在します。体液をアルカリ性に保ち、カリウムとバランスをとって細胞の浸透圧を一定に保つ調整をし、筋肉・神経の興奮を抑制します。日本人は食塩の摂取量が多く、ナトリウムは控える必要があります。カリウムを多く摂るとナトリウムの排泄が促進されるので、ナトリウム過剰を防ぐことができます。

○ナトリウムを多く含む食品:
食塩、味噌、醤油、塩辛、佃煮、ハム・ソーセージ、かまぼこ、インスタントラーメン
○ナトリウムが欠乏すると:
日本人は、むしろナトリウム過剰摂取傾向にあります。普通の状態での欠乏はないですが、激しい下痢や嘔吐・発汗の後に不足することがあります。
倦怠感、食欲不振、嘔吐、意識障害、筋肉痛、熱けいれん
○ナトリウムを多量摂取すると:
慢性的には、高血圧・動脈硬化・胃潰瘍などの引き金になります。

カリウム(K)とは

カリウム(K)は必須ミネラルのひとつです。カリウムは、血球や細胞の内液に多く含まれます。酸アルカリ平衡の維持に重要なミネラル(栄養素)です。心肺機能・筋肉機能を調整します。

○カリウムは、ナトリウムを排泄する作用があるので、カリウム摂取でナトリウム過剰による高血圧などの予防になります。
○糖質の代謝にカリウムが消費されます。
○発汗によりナトリウムが失われとカリウムも失われます。
○利尿剤服用者、利尿作用のあるコーヒーなどを多く飲む人、下痢・ストレスのある人はカリウム欠乏の傾向にあるので、カリウムを補給する必要があると考えられます。

○カリウムを多く含む食品:
海藻類、緑黄色野菜、大豆、落花生(ピーナッツ)
○カリウムが欠乏すると:
脱力感、食欲不振、不整脈、筋無力症、知覚鈍感、反射神経の低下、腸壁緊張
○カリウムを多量摂取すると:
カリウムは腎臓で処理・排出されるので、腎機能が低下していると十分にカリウムが排出されず高カリウム血症になるリスクが高まります。

塩素(Cl)とは

塩素(Cl)は必須ミネラルのひとつです。胃液の中で消化を助け、血液中で、血液の酸アルカリ均衡の働きをします。また、肝臓機能を助け体内の老化物の除去に役立ちます。

○食塩(NaCl)はナトリウム(Na)と塩素(Cl)から出来ているので、食塩から塩素の殆どが摂取できます。

○塩素を多く含む食品:
食塩、海藻類、オリーブ
○塩素が不足すると:
食欲不振、消化不良、脱毛、歯が弱くなる
○塩素を多量摂取すると:
特に過剰症はありません。

鉄(Fe)とは

鉄(Fe)は必須ミネラルのひとつです。鉄は血液との関係が深く、鉄不足による貧血はよく知られ、必要量の鉄を摂る日頃の努力が必要なミネラル(栄養素)です。赤血球のヘモグロビン・筋肉のミオグロビン・肝臓のフィリチンに含まれます。細胞内では、酸化に働くチトロームなどの酵素の成分でもあります。ヘモグロビンは酸素を運搬し、ミオグロビンは血中の酸素を細胞に取り入れる働きをします。

○鉄は、動物性食品に含まれるヘム鉄と植物性食品に含まれる非ヘム鉄があり、ヘム鉄は非ヘム鉄よりも体内に吸収されやすい栄養素です。
○ビタミンCと一緒に摂ると鉄の吸収率が向上します。
○女性は男性の約2倍の鉄を失うとされ、女性は鉄を多めに摂ることが必要です。

○鉄を多く含む食品:
レバー、海苔、ひじき、海藻類、マグロ(赤味)、肉、卵黄
○鉄が欠乏すると:
鉄欠乏性貧血、ヘモグロビンの減少、動悸、疲労しやすい
○鉄を大量摂取すると:
鉄沈着症
幼児(3歳以下)が多量の鉄を摂取すると致命的な毒性の害がある場合があります。

銅(Cu)とは

銅(Cu)は必須ミネラルのひとつです。銅は、肝臓や脳など広く体内に分布し、腸管から鉄の吸収を助け、骨髄でヘモグロビン産生の時に鉄が利用されやすくする働きをします。銅は、抗酸化酵素の構成分として、細胞膜を正常に維持して、ビタミンCの有効利用や、コラーゲンの生成にも関与しています。

○貧血の予防や治療に鉄と同様に必要とされます。

○銅を多く含む食品:
レバー、豆類、チョコレート、そば
○銅が欠乏すると:
ヘモグロビンの生成が減少して貧血になりやすい
貧血、毛髪異常、白血球減少、骨折や骨の変形
○銅を多量摂取すると:
通常の食事からは過剰症はありませんが、過剰症としてウイルソン病(銅の蓄積により肝・脳の機能的・形態的変化)があります。銅製の食器や鍋に酸性食品を保存すると化学反応を起こして中毒を起こすことがあります。

亜鉛(Zn)とは

亜鉛(Zn)は必須ミネラルのひとつです。亜鉛は広く細胞全体に存在し、DNAやたんぱく質の合成に関係する細胞分裂に必要なため、不足すると免疫機能が低下します。糖代謝にも必要で、インスリンの合成・作用に必須のミネラル(栄養素)です。
○尿や発汗で亜鉛は排泄され、加齢によっても排泄量が増加します。
○亜鉛は植物性たんぱく質と一緒に摂取すると吸収が促進されます。

○亜鉛を多く含む食品:
カキ、レバー、ウナギ、カシューナッツ、アーモンド、高野豆腐、たらこ、ホタテ、ささみ肉
○亜鉛が欠乏すると:
皮膚炎・脱毛症・味覚障害(成人)、成長障害・鉄欠乏性貧血(子供)
○亜鉛を多量摂取すると:
胃腸への刺激、血清アミラーゼ値の上昇、膵臓異常、LDL増加、HDL低下、免疫機能低下など。

セレン(Se)とは

セレン(Se)は必須ミネラルのひとつです。セレンは抗酸化作用があり、ビタミンEと一緒でより抗酸化作用の効果が高まります。また、セレンはガンの抑制作用があります。更に、セレンは有害物質と結合してその毒性を消す働きがあり、体内の有害金属・水銀・カドニウムの害から体を守ると期待されます。

○セレンを多く含む食品:
にんにく、わかさぎ、いわし、かれい、ホタテ、牛乳、ねぎ、牛肉、玄米
○セレンの働き:
抗炎症作用、免疫抑制作用、制ガン作用
○セレンが不足すると:
通常の食事でセレン不足の心配はありません。
心筋障害などの循環器系疾患、免疫低下
○セレンを大量摂取すると:
疲労感、脱毛、爪の変化、嘔吐、下痢、末梢神経障害

マンガン(Mn)とは

マンガン(Mn)は必須ミネラルのひとつです。マンガンは、骨の石灰化に必要なミネラル(栄養素)です。また、関節を丈夫にする結合組織の補酵素で、体の成長期には不可欠なミネラルです。糖質・脂質・たんぱく質の代謝に必要な酵素の成分でもあり、エネルギー作りやたんぱく質の合成に関わっています。通常の食事での欠乏はないとされていますが、カルシウム・リンの多量摂取は、マンガンの吸収を阻害するので、注意が必要です。

○マンガンを多く含む食品:
玄米、大豆、アーモンド、カシューナッツ、さつま芋
○マンガンが不足すると:
骨の発育不全、糖尿病、性ホルモンの合成能力の低下、生殖腺機能障害
○マンガンを大量摂取すると:
運動失調、パーキンソン病

ヨウ素(I)とは

ヨウ素(I)は必須ミネラルのひとつです。体内の要素の約半分は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンの材料になります。甲状腺ホルモンは、交感神経を刺激してたんぱく質・脂質・糖質の代謝を促進します。日本は海に囲まれており、海藻類を摂取することでヨウ素不足の心配は殆どないとされてきましたが、食生活の欧米化で不足が心配されています。

○ヨウ素を多く含む食品:
昆布、わかめ、イワシ、サバ、海苔、カツオ、ブリ、寒天
○ヨウ素が不足すると:
甲状腺腫、甲状腺機能低下(太りやすい、発育不全、脱毛)
○ヨウ素を多量摂取すると:
甲状腺肥大、甲状腺機能亢進症の悪化

コバルト(Co)とは

コバルト(Co)は必須ミネラルのひとつです。コバルトは、ビタミンB12の一部を構成するミネラルです。また、骨髄の造血機能に不可欠なミネラルで、赤血球・血色素の生成を促します。体内のコバルトの15%はビタミンB12の構成分として存在し、悪性貧血の予防、神経の機能の正常化、バイオリズムの正常化などに働きます。

○コバルトを多く含む食品:
レバー、肉類、魚介類(かき、あさり、はまぐり)、乳製品、大豆、もやし
○コバルトが不足すると:
悪性貧血、食欲不振、集中力・記憶力の低下、心身のバイオリズムに悪影響
○ヨウ素を多量摂取すると:
特に過剰症はありません。

イオウ(S)とは

イオウ(S)は必須ミネラルのひとつです。イオウは、健康な皮膚や爪生成に重要な成分で、軟骨・骨・腱を生成する成分にも含まれます。ビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素となって、糖質・脂質の代謝を促します。また、有害ミネラルが体内に蓄積されるのを防ぎます。

○イオウを多く含む食品:
魚介類、肉類、卵、牛乳
○イオウが不足すると:
特に欠乏症はありませんが、皮膚炎、しみ、爪がもろくなる、脱毛、解毒力の低下

モリブデン(Mo)とは

モリブデン(Mo)は必須ミネラルのひとつです。モリブデンは、あまり分かっていないミネラルです。モリブデンは、肝臓・腎臓のいくつかの酵素を活性化し、糖質・脂質・尿酸の代謝を助けたり、鉄の利用を高めるので鉄欠乏性貧血の予防をに役立つとされています。

○モリブデンを多く含む食品:
牛乳、乳製品、納豆、豆類、海藻、緑黄色野菜、穀物、レバー
○モリブデンが不足すると:
成長遅延、貧血、疲労感、動悸、息切れ、痛風、夜盲症、虫歯
○モリブデンを多量摂取すると:
過剰摂取で銅の排出を促進するため、銅欠乏症を引き起こします。

クロム(Cr)とは

クロム(Cr)は必須ミネラルのひとつです。クロムの中でも3価クロムは、糖質・脂質の代謝を良くする働きがあるので、糖尿病・動脈硬化で注目されています。クロムがクロム化合物に合成されてインスリンの作用をよくすることから糖尿病の予防になり、血中コレステロールの正常値に保ち、動脈硬化・高血圧を予防すると考えられています。

○クロムを多く含む食品:
野菜、穀類、海産物、肉、魚
○クロムが不足すると:
耐糖能低下、糖尿病、高コレステロールケッ章、動脈硬化、角膜疾患
○クロムを多量摂取すると:
腎不全、呼吸障害など

食物繊維とは

6大栄養素のひとつである食物繊維は消化酵素で消化されない難消化成分です。食物繊維自体は栄養やエネルギーになりませんが、腸内環境を整え、大腸癌や生活習慣病の予防に役立つ第6の栄養素です。

○食物繊維の種類は多く、食品によって種類が異なります。
○胃の中で水分を吸収して膨らみ、便の体積を増やして排便を促進するので、便秘予防になります。
○腸内の老廃物・有害物質を吸着し、体外に排出します。
○腸内の善玉菌(ビフィズス菌など)を増やし、悪玉菌(大腸菌など)を減らして、腸内環境を整え大腸癌予防に役立ちます。
○腸内で様々な働きをして生活習慣病の予防に役立ちます。

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に大別され、異なる性質と働きがあります。両方とも大腸癌予防に効果的とされています。
○水溶性食物繊維:大腸の粘膜を保護します。
ペクチン、グアガム、グルコマンナン、こんにゃく、アルギン酸ナトリウム、マルチトール
○不溶性食物繊維:便量を増やして便の硬さを適度にしながら移動して、善玉菌(ビフィズス菌など)を増やし、便秘の予防をします。
セルロース、ヘミセルロース、リグニン、寒天、キチン、コラーゲン

食物繊維を含む食品
食物繊維と病気

食物繊維を含む食品

○食物繊維を含む食品
穀類:オートミール、小麦胚芽、玄米、そば
芋類:こんにゃく、さつま芋、里芋、ジャガイモ
豆類:大豆、小豆、インゲン豆、えんどう豆、そら豆、枝豆、納豆、おから、栗、落花生(ピーナッツ)、クルミ、ゴマ
野菜類:アスパラ、うど、かぼちゃ、ごぼう、筍、パセリ、ブリッコリー、キャベツ、小松菜など殆どの野菜
果物:バナナ、梨、イチゴ、りんご、グレープフルーツなど殆どの果物
茸類:椎茸、エノキダケ、なめこ、キクラゲなど殆どの茸類
海藻類:海苔、わかめ、ひじき、昆布、ところてん、寒天など殆どの海藻類

※果物には果糖が多いので、食べすぎは糖質の過剰摂取につながります。また、食物繊維を摂り過ぎて下痢を起こすと、体に必要なミネラルなどの成分を排出してしまうので、食物繊維を摂取する際にも注意が必要です。

食物繊維と病気

食物繊維自体は栄養やエネルギーになりませんが、腸内環境を整え、大腸癌や生活習慣病の予防に役立ちます。

○食物繊維と大腸癌
・リグニン・キチンキトサンなどの食物繊維は、胆汁酸を吸着します。腸内の有害細菌が胆汁酸から大腸癌を引き起こす有害物質を作るのを抑えることが分かっています。
・食物繊維は、便量を増して排便を促し、有害物質を吸着して排泄するので、発癌を抑制するとされています。

○食物繊維と動脈硬化
・果物に多いペクチン、海藻に含まれるアルギン酸などの水溶性植物繊維は、血清コレステロール低下作用があります。
・食物繊維は、大腸の腸内細菌で発酵されて短鎖脂肪酸が生成されます。短鎖脂肪酸がコレステロールの合成を抑制するとされています。

○食物繊維と糖尿病
食物繊維は糖尿病の予防・治療に有効で、糖尿病の食事療法では、バランスのよい食事が肝心ですが、その中で食物繊維の働きは重要です。
・食物繊維を多く含む食品(野菜や海藻)は低エネルギー
・食物繊維の多い食物は良く噛まなくてはならないので、消化・吸収がゆっくり
・食物繊維は腸管で栄養素が吸収される時間を遅らせる作用がある
これらのことから、食物繊維は、食後の血糖値の上昇が穏やかにして、インスリンを無理なく作用させることができ、糖尿病が誘発する合併症の予防にもつながります。

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