My Yahoo!に追加 Add to Google Subscribe with livedoor Reader
女性の更年期事典 > 脳の老化と病気

脳の老化と認知症

加齢により体が老化するのと同様に脳も老化します。一部の脳の神経細胞が再生することが分かってきたものの、年齢と共に脳細胞が減少していくことに変わりはなく、40歳過ぎには1日に5~10万個の脳細胞が死んでいくといわれています。
加齢に伴い老人斑や神経原線維変化は増えて神経細胞は減ります。老人斑は正常脳にもあるβ蛋白が細胞の外に沈着したもので、神経原線維変化は正常脳にもあるタウ蛋白が神経細胞内にたまったものです。通常の加齢でも脳に年齢相応の変化がみられます。

通常の脳の老化はゆるやかです。一方、認知症とは、何らかの原因で脳の機能(記憶・思考・判断などの知的能力)が著しく低下してしまう脳の病気です。脳血管性認知症アルツハイマー病が代表的で、この2つが認知症の約80%を占めるといわれています。他にもピック病レビ―小体型認知症などがあります。近年では若年認知症が増加しているといわれています。脳の病気でパーキンソン病がありますが、パーキンソン病は物忘れの症状はあまりないとされています。ただし、認知症のなかにはパーキンソン症状が現われる認知症があります。

認知症にもタイプがあります。認知症のタイプが違えば治療方法も対応方法も異なります。認知症は適切な早期診断が大切です。気になる症状があるときは、専門の医療機関を受診してください。

健忘と認知症

「物忘れ=認知症」ではありません。お年寄りの物覚えが悪くなったり思い出すのに時間がかかるのは、脳細胞の生理的な老化に起因しています。加齢性記憶障害という生理的な脳の老化で、それ自体は自然なこと(健忘)で認知症の始まりではありません。

○健康なお年寄りの「物忘れ」
・体験した事の細かい部分を忘れてしまう(例:食事をした事は思えていても食事の内容を思い出せない)
・物忘れを自覚している
・人格の変化があまりない
・自分のいる場所がわかる

○認知症のお年寄り
・体験したことを全て忘れてしまう(例:食事した事そのものを覚えていない)
・物忘れの自覚が乏しい
・人格が変わる
・自分のいる場所が分からなくなる

若年認知症

若年認知症(18~64歳で発症)は、生活習慣の悪化が病因とされる脳血管性認知症と、大脳萎縮性疾患のアルツハイマー病・ピック病が主です。ストレス社会の中で若年認知症は増加しています。アルツハイマー病の初期症状はうつ病との区別が難しく、中年の認知症が精神疾患と誤診されているケースがあるとか。そもそも、脳の神経細胞は過重なストレスによっても破壊されやすく、うつ病が増えるストレス社会では若年認知症も増えるそうです。

脳血管性認知症症は生活習慣の悪化などによる脳血管障害が原因とされています。アルツハイマー病・ピック病は脳が萎縮する病気です。アルツハイマー病の原因は解明されつつありますが、ピック病は病因解明の糸口がない状態です。

2006年に入って約10年ぶりに厚生労働省は40~50代に発症率が高い若年認知症の実態調査にのりだしました。今回の調査結果では大幅に患者数が増加すると見られています。

脳血管性認知症(脳血管性障害)

脳血管性認知症は、高血圧・高脂血症などの生活習慣病などで起こる脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)でその部分の脳の機能が阻害され、記憶・思考・判断など知的能力が低下した状態です。脳血管障害による若年認知症にならないために、脳血管障害の危険因子である生活習慣病予防(生活習慣の改善)が重要になります。脳血管障害は、男性に多く、50~60歳で発病しやすいのですが、生活習慣病がより若年層にも及んでおり、年齢に関係なく危惧される病気です。

脳血管障害とは、脳の血管異常が原因で起きる脳・神経系の障害のことです。
○突発的に発症する脳卒中は、出血性病変(脳出血・くも膜下出血)と虚血性病変(脳梗塞・一過性脳虚血発作)に大別されます。
○脳出血は、脳内の血管が破壊されて出血するケースで、その多くは高血圧が原因です。
○脳梗塞は、脳血栓症と脳塞栓症に分かれます。脳血栓症は動脈硬化で血管内腔が狭くなってそこに血栓か作られて閉塞した状態です。脳塞栓症は、頚動脈や心臓でできた血栓が剥がれて血流にのって脳の動脈に達して血管を詰まらせた状態です。
いずれにせよ、脳血管障害は麻痺や言語障害などの後遺症を残すケースが少なくありません。危険因子である高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病予防と、肥満、ストレス、喫煙、飲酒など生活習慣の改善が重要になります。

脳血管性障害チェック

脳血管性障害チェック

脳血管性認知症が危惧される脳血管性障害の症状チェックです。こんな症状があったら注意してください。

○健康診断で、高血圧やコレステロール・中性脂肪の値が高いと言われませんか?
○最近、よろけたり、つまずくことが多くありませんか?
○食事中に箸をよく落とすようになっていませんか?
○片方の目が一時的にも見えなくなったことがありますか?
○ろれつが回らなくなったことがありますか?

アルツハイマー病とピック病

アルツハイマー病は高齢化社会の大きな課題ですが、若年層の患者も増えています。人間の尊厳を守るという意味においても、アルツハイマー病の決定打となる治療法が切望されます。また、働き盛りにが好発のアルツハイマー病と混同されやすいピック病があります。

アルツハイマー病は、決定的な解明に至っておらず、現在は病気の進行を遅らせる薬しかない病気です。アルツハイマー病は高齢になるほど増えます。アルツハイマーの平均発症年齢は52歳で、65歳以上の20人に1人は発症すると言われています。ただし、近年、若年層の患者も増えており、症状は比して早く進行するとの報告があります。外的因子(食事・運動など)も関係しているらしいという調査結果もあります。
ピック病は病因解明の糸口がない状態で、40歳代~50歳代が好発年齢で平均発症年齢は49歳です。いままでアルツハイマーと混同される傾向があるようで、現在のアルツハイマー病の1/3~1/10がピック病ともいわれています。アルツハイマー病が知的機能低下が初期症状であるのに対して、ピック病は人格障害や自制力の低下などの情緒障害などが初期症状です。また、ピック病の症状はアルツハイマー病に比して早く進行するそうです。

アルツハイマー病とは

アルツハイマー病とは、大脳皮質が広範囲に萎縮し、初期には記憶障害(物忘れ)が目立ち、知能、感情、意識の全ての機能が低下していく、認知機能低下・人格の変化が主な症状の病気です。現在、アルツハイマー病に対するワクチン研究が盛んになされており、大きな期待がかけられています。

○アルツハイマー病は、「家族性アルツハイマー病」と「孤発性アルツハイマー病」に分かれます。優性遺伝する「家族性アルツハイマー病」はアルツハイマーのうち約5%とされています。
○アルツハイマー病は、42アミノ酸残基のアミロイドβ蛋白が脳内に蓄積した結果、脳の神経細胞が死んで脳が極端に萎縮(特に大脳皮質が萎縮する大脳萎縮性疾患)して発病また病気が進行する、という説が有力とされています。蛋白が異常に凝集して病変を脳につくる過程は、アルツハイマー病だけでなくパーキンソン病やピック病などでもで同じくみられます。
※大脳皮質とは大脳の表面に位置する神経組織のことです。
○神経伝達物質の異常もアルツハイマーの原因と考えられていいます。減少する神経伝達物質は、アセチルコリン、ドーパミン、グルタミン酸、ノルアドレナリン、セロトニン、ノルエピネフリンなどがあります。また、脳の血流も低下します。
○エストロゲン(女性ホルモンの一種)の減少がアルツハイマーの発症と深い関係があるといわれています。閉経後のエストロゲン補充をしている女性では、アルツハイマーが比して少ないとされていますが、エストロゲンを高齢者が長期間服用するとアルツハイマーや物忘れがひどくなる危険性が高まるとの警告もあります。
○ダウン症候群の人はアルツハイマー病になりやすいといわれています。
○アルツハイマー病は、生活習慣病との関係が注目されています。糖尿病患者や糖尿病予備軍がアルツハイマー病になる割合は、通常の3.1倍(国内某大学の疫学調査結果)とか。海外でも同様の調査結果がでています。

アルツハイマー病の症状・予防改善
アルツハイマー型認知症の兆候

アルツハイマー病の症状・予防改善

アルツハイマー病の病期と症状はおよそ次のとおりです。
アルツハイマー病第一期(健忘期)の症状:健忘症状、見当識障害(道に迷う)、多動・徘徊
アルツハイマー病第二期(混乱期)の症状:高度の知的障害、失語、失行、失認、幻覚、妄想、筋固縮(筋固縮はパーキンソン病と間違われることがあります。)
アルツハイマー病第三期(臥床期)の症状:寝たきり、失禁、拒食・過食、痙攣、反復運動、錯語、語間代

アルツハイマー病の予防
国内の疫学調査でも、アルツハイマー病の発症に食習慣が深く関係していることがわかっています。アルツハイマー患者の食生活は肉食が多く、魚や野菜が少ないとの調査結果があります。「1日80gの青魚、最低2回の緑黄色野菜をとることが認知症の予防には大切」との指摘もあり、これらを効率的に摂取するには、和食がもっとも効果的だと述べられています。脳の神経伝達物質の材料になる大豆のレシチン-納豆と青魚の相乗効果でアルツハイマー病を予防をしましょう。

○アルツハイマー病予防に不飽和脂肪酸を多く含む魚を食しましょう。
ドコサヘキサエン酸(DHA):マグロ、ブリ、サバ、サンマ、ウナギなど
エイコサペンタエン酸(EPA):マイワシ、マグロ、サバ、ブリ、ハマチ、サケ、アジなど
○アルツハイマー病予防に緑黄色野菜を食しましょう。
ビタミンB、C、E

アルツハイマー型認知症の兆候

アルツハイマー型認知症には兆候があります。アルツハイマー型認知症は記憶障害が初期症状です。記憶障害に始まり迷子やリモコン操作ができなくなるなどの症状が現われてきます。アルツハイマー型認知症の症状チェックです。次の症状があったら注意してください。

○同じ事を何度も言う
○探し物が増える
○今までの趣味や日課をやめる
○身だしなみに無頓着になる
○着替えや入浴が減る
○料理の献立の種類が減る
○味付けがおかしくなる
○部屋が雑然となる
○あるにもかかわらず同じものを買ってくる
○意欲が減退する

ピック病

ピック病はアルツハイマー病と混同されやすい病気です。ピック病は病因が解明されていないため、治療法は現在のところなく介護が中心となっています。ピック病は限局所性脳萎縮性ともいわれるとおり限局性の脳萎縮が特徴で、大脳の側頭葉と前頭葉が主に萎縮する病気です。そのため初期症状として人格障害や自制力の低下などの情緒障害が起きます。アルツハイマーの初期症状は記憶障害です。

ピック病の症状
○自制力の低下(粗暴で短絡的、相手の話を聞かずに一方的にしゃべったりします)
○感情の鈍麻(外からの刺激に対して感情が起こらず、周囲に無関心で、感情があまり表にでません)
○反社会的な行動を含む異常な行動(浪費、過食や異食、収集、窃盗、他人の家に勝手にあがったりします)
○常同的行動(周徊、常同的な食行動、時刻表的な生活など)
○滞続言語・語間代(会話内容とは関係なく同じ話しを繰り返したり、同じ内容の言葉を繰り返したりします)

ピック病は前頭側頭葉変性症に含まれます。脳の前頭葉と側頭葉の血流低下と萎縮で起きる前頭側頭葉変性症の約80%が「ピック病」といわれています。前頭側頭葉変性症の場合、記憶の低下はアルツハイマー型認知症のように強くありません。人格の変化が初期にくるピック病や、失語が除々に進行して認知症に至る病気などがこの疾患の中に含まれます。

レビ―小体型認知症

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症の次に多いといわれています。レビー小体病(びまん性レビー小体病)とは、主に大脳皮質の神経細胞内にレビー小体という構造物(封入体)が多く現われる病気です。レビー小体型認知症は視覚性幻覚(幻視)、パ-キンソン症状、認知機能障害がみられます。レビー小体病はパーキンソン病の特徴と似ているため、レビー小体病とパーキンソン病を同じようにとらえる考え方と、初期症状が違うなどから異なる病気ととらえる考え方があるようです。

○レビー小体病(びまん性レビー小体病)の症状
レビー小体病の初期症状が自律神経症状(物忘れ・立ちくらみ・頻尿など)でパーキンソン症状のない場合が少なくないそうです。日によって症状が良かったり悪かったり変動します。また、パーキンソン病と同じく心臓の交感神経の脱落がみられます。視覚性幻覚(幻視)は「人が何人か出てくる」といった内容が多いようですが、「自分にしか見えない」「自分に害を与えることはない」ことを自覚していることも少なくないそうです。
○レビー小体病(びまん性レビー小体病)の治療
レビー小体病の記憶障害はパーキンソン病と同じくアセチルコリンの低下が関係していることから、アセチルコリンを増加させる治療で改善が期待されます。

パーキンソン病はドーパミン神経の減少ですが、レビー小体がパーキンソン病の特徴でもあります。パーキンソン病が進行すると大脳皮質に多数のレビー小体が現われることがあります。

パーキンソン病

パーキンソン病の多くは40歳以降に発症します。初期に多く見られるのが手のふるえです。パーキンソン病の症状の主な原因は脳の線条体にあるドーパミン(神経伝達物質)の欠乏と考えられています。脳に線条体と黒質があります。ドーパミン神経が黒質でパーキンソン病の多くは40歳以降に発症します。初期に多く見られるのが手のふるえです。パーキンソン病の症状の主な原因は脳の線条体にあるドーパミン(神経伝達物質)の欠乏と考えられています。脳に線条体と黒質があります。ドーパミン神経が黒質でドーパミンをつくり線条体にドーパミンを運びます。黒質のドーパミン神経が減ることで線条体のドーパミンが減少するといわれています。ドーパミン神経は加齢により減少しますが、パーキンソン病ではドーパミン神経がより急速に減り始めてある程度まで減少すると症状がでると考えられています。また、パーキンソン病では心臓の交感神経の密度が減っていることがわかってきました。パーキンソン病の完治は今のところ難しいようですが治療で改善するようです。思い当たる症状がある場合は、神経内科の受診をしてください。早期治療が大切です。

■パーキンソン病の症状
○運動障害
・手足がふるえる
安静時にふるえるのが特徴です。最初は一側(左右のどちらか)がふるえ、次第に両方がふるえるようになります。
・筋の固縮と動作緩慢
筋肉が緊張してかたまった状態になります。動作に時間がかかるようになり動きも小さくなります。たとえば、寝返りを打ちにくい、布団から起きあがるのに時間がかかる、声が小さく聞きにくい、まばたきが少なく硬い表情、字が小さくなるなどです。筋肉が固くなって動作が少なくなるために、背中を丸めて動かない姿勢が多くなる傾向があります。
・転びやすい
パーキンソン病が進行すると、姿勢のバランスを崩したときに反射的に立て直せずに転びやすくなります。この頃には、小刻み歩行(前屈みの姿勢で歩幅の狭い歩き方)、すくみ(足が床にくっついた感じで前進できない)、加速歩行(歩いているうちに無意識に小走りになって止まれない)といった症状がみられます。
○自律神経障害と精神症状
自律神経障害では便秘が多く、他には昼間眠たくなりやすい・夜間にトイレが近い・多汗・立ちくらみなどがあり、精神症状では抑うつが多いとされています。
■パーキンソン病の治療
日本神経学会からパーキンソン病の治療に関して「パーキンソン病治療ガイドライン」が公表されており、パーキンソン病の治療は脳内のドーパミンを補充することが基本です。一般的にパーキンソン病で物忘れはあまりないとされていますが、パーキンソン病が進行すると物忘れが起こることがあります。パーキンソン病に合併した物忘れの多くはアセチルコリン不足が関係していることから、薬物治療で改善されることが多いそうです。

※レビー小体がドーパミン神経に存在することもパーキンソン病の特徴でもあります。パーキンソン病が進行すると大脳皮質に多数のレビー小体が現われることがあります。パーキンソン病とレビー小体病との位置づけが専門家の間でもはっきりしていないようです。

脳の老化と病気の予防

脳の老化を遅らせ、脳の病気の予防、また、脳を活性化して健康に保つ健脳の秘訣です。

脳の機能を健康に保つには、
○脳によい栄養素を摂る
○脳の病気の因子を取り除く
○脳を刺激する
○適度な運動をする
○ストレスを減らす
○気になる症状があるときは専門の医療機関の診察を受ける
などです。

脳に良い栄養素・成分

不飽和脂肪酸(DHA、EPA)を多く含む魚や緑黄色野菜を食しましょう。大豆やナッツ類に含まれる、オレイン酸やリノール酸は脳血管の老化を防止し痴呆症防止に効果があり、コリンは中年以降の記憶力低下予防に有効といわれています。

脳に良い栄養素:
ビタミンC・E、カリウム、亜鉛、ブドウ糖、オレイン酸、リノール酸、DHA、プロタミン、カルチニン、アントシアニン、カテキン、レシチン、コリン

※ナッツ類に生えるカビには強い発がん性物質が含まれていますのでご注意ください。

「脳の老化と病気」のコメントについて

「脳の老化と病気」に関するコメントを記事別に募集しています。より有益なサイトになるように「脳の老化と病気」情報をお願いします。

「脳の老化と病気」のトラックバックについて

各記事のトラックバックは「脳の老化と病気」に関するもののみ受け付けます。トラックバックしていただく記事を「脳の老化と病気」のアンカーテキストでリンクしていただけるとありがたいです。(相互リンク)

「脳の老化と病気」に関連サイトとの相互リンクについて
このサイトは相互リンク募集中です。「女性の更年期事典」に関連するサイトでしたらOKです。