親が太っていると子供も太りやすい、とよく言われます。これは、生活環境が似ていることがもありますが、遺伝体質が関係している場合があります。この遺伝は、肥満体型が遺伝するのではなく、体脂肪を貯めやすい、エネルギー消費が少ない、などの太りやすい体質の遺伝です。肥満の原因は「遺伝:環境=3:7」といわれています。肥満に関係する遺伝子は世界で40以上発見されおり、複数遺伝子が関与すると肥満になる確率が高くなることが分かってきています。
○倹約遺伝子
倹約遺伝子は飢餓の時代を生き抜くために脂肪を効率よく体内に蓄積させる遺伝子で、東洋人は倹約遺伝子を多く持っていると考えられています。倹約遺伝子の一つに「β3アドレナリン受容体」があります。この受容体の異常は殆どの人種にみられ、日本人の3人のうち1人に異常があると言われています。この遺伝子に異常があると、正常な人に比して基礎代謝量が少ない(正常な人よりも1日200kcal少ない)ことがわかりました。そのため、正常な人と同じエネルギー摂取をしても、基礎代謝量が少ないため体脂肪が増えやすく肥満になりやすいのです。また、倹約遺伝子に脂肪細胞の肥大を起こすPPARγ遺伝子があります。日本人の96%がこの遺伝子を持っているとされています。肥大化した脂肪細胞は、最終的にアディポサイトカインというホルモンを分泌します。このホルモンがインスリン抵抗性などを作り出すため、この遺伝子を持っていると肥満しやすく、糖尿病になりやすく、高血圧などの生活習慣病になりやすい状態になります。
○浪費遺伝子
肥満遺伝子がある一方で、浪費遺伝子といわれるUCP-3が注目されています。「ミトコンドリア脱共役タンパク質(UCP)」の一種です。今後の研究に期待がかかっています。

