My Yahoo!に追加 Add to Google Subscribe with livedoor Reader 女性の更年期事典をはてなアンテナに追加はてなアンテナに追加

女性の更年期を知って更年期を乗り切りましょう

更年期はまさに女性にとっての節目です。更年期(更年期障害の症状、治療、予防、改善)を知って健康でイキイキとした更年期にしましょう。前向きな健康管理と生活習慣の改善は、更年期障害の症状の改善し、更年期に気をつけたい骨粗鬆症・高脂血症や女性特有の病気などの予防にもつながります。女性の更年期は、それまで背負っていた荷物をひとつ降ろして身軽になる時期でもあります。そして、健康で快適な更年期と第二の人生のために、生活習慣を見直したり、生活環境を整えたり、と更年期はちょっと忙しい時期かもしれません。

更年期障害の症状とメカニズム
更年期障害(更年期不定愁訴症候群)の症状はホットフラッシュ(のぼせ ほてり 多汗)・動悸・めまい・頭痛・うつ・イライラなど様々で、個人差もあります。更年期障害(更年期不定愁訴症候群)は、卵巣機能が衰えて女性ホルモンが減少して起きるのが主因子で、心理的・環境的因子も影響します。更年期障害(更年期不定愁訴症候群)の原因は、体だけでなく、心や取り巻く環境などの因子がが重なり合っているんです。更年期障害の症状とメカニズム

パニック障害

パニック障害とは、パニック発作、予期不安、回避行動の3つからなるのが特徴です。パニック障害の不安が続いて気分が落ち込むようになると鬱病(うつ病)を併発することがあります。パニック障害の原因は解明に至っていませんが、脳内神経伝達物質(主にセロトニンとノルアドレナリン)のバランスの乱れで発症するのではと考えられており、治療は薬でバランスを調整する治療法が主です。ストレスが原因でパニック障害を発症することもあるようですが、パニック障害と性格や環境との関係は分かっていません。

○パニック発作
突然に予兆もなく、動悸、呼吸困難、めまい、発汗、腹部の不快感、非現実感などの症状が現われ、通常30分ほどでおさまります。症状があっても身体的検査の結果では異常がなく、精神疾患でも説明がむずかしいです。
○予期不安
「パニック発作をまた起こすのではないか」という不安感や、発作を起こすことで別のこと(何かの病気になる、取り乱す、事故を起こす、死ぬのでは、などの不安)の不安感が発作を繰り返す度に強くなります。
○回避行動
特定の場所や状況を避けるようになります。発作を起こしても助けを得られない、また逃げ出せないような場所や状況、発作を起こした場所を避けるようになります。

PTSD

PTSDは「PostTraumaticStressDisorder」の略で、心的外傷後ストレス障害と訳されます。非日常的な災害や犯罪などのストレス体験がトラウマ(心的外傷)になって心身に支障がでて社会生活に影響するストレス障害です。フラッシュバック(トラウマ体験を鮮明に思い出す)、悪夢を見る、トラウマに関係する場所や状況を避ける、感情や感覚の麻痺、不眠、イライラ、食欲不振などの症状が発現します。トラウマの原因は、身体に関わる危機を体験・目撃・直面することで強い恐怖や無気力感などが起きる強いストレスです。発症直後はASD(急性ストレス障害)とされ、症状が1ヶ月以上続くとPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されます。

徘徊と周徊

徘徊と周徊は認知症にみられる症状です。徘徊と周徊は一見似ていますが、それぞれ特徴があります。
徘徊は、記憶障害や見当識障害の症状として歩き回るアルツハイマー病などに見られます。不安・孤独感などの心理的な原因が重なっていると考えられ、居心地のよい場所・環境にいる時は徘徊は少なくなります。
周徊は、毎日同じコースを同じパターンで繰り返して歩きます。ピック病など前頭側頭葉変性症で周徊が見られます。前頭側頭葉変性症の症状である繰り返し行動のひとつです。周徊は徘徊と異なり迷子になることは殆どありません。環境を整えても説得しても周徊を止め難く、周徊への対応は徘徊とは異なります。

活性酸素

活性酸素とは、フリーラジカルとも呼ばれます。細胞内で酸素が不完全燃焼してできる不安定な酸化物です。活性酸素は体を守る免疫システムの中で大切な働きをする一方、周囲の正常な細胞まで傷つけてしまいます。活性酸素は老化の原因にもなるといわれています。活性酸素は、不飽和脂肪酸を酸化して過酸化脂質を作ります。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)とは、内臓脂肪型肥満によって、脂質・糖質の代謝異常、高脂血症、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの様々な病気が引き起こされやすくなった病態のことです。メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・高脂血症のうち2つ以上を合併した状態です。シンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群などと呼ばれてきました。メタボリックシンドロームは治療の対象として考えられるようになっています。内臓脂肪型肥満は体型がリンゴに似ているので「リンゴ型肥満」とも呼ばれています。痩せていても内臓脂肪型肥満のこともあるため「隠れ肥満」とも呼ばれています。

たこつぼ心筋症

たこつぼ心筋症とは、心臓から血液を送り出すときに左心室の下部が膨らんだまま収縮しない病気です。左心室の収縮異常の形態的特徴(たこつぼのような形)から「たこつぼ心筋症」と呼ばれています。たこつぼ心筋症は女性に多い病気で、精神的ストレスや肉体的ストレスによって発症しやすい心臓病とされていますが、エストロゲンの低下が原因の一つである可能性が示唆されています。
たこつぼ心筋症は急性心筋梗塞症のような症状(胸痛や心不全など)があります。心臓カテーテル検査では冠動脈の狭窄や閉塞異常を認めません。
たこつぼ心筋症の症状は、血流不足で胸の痛みや圧迫感が続きます。通常1ヶ月程度の入院安静で治りますが、原因不明の突然死の中にたこつぼ心筋症が含まれている可能性も指摘されています。

※新潟県中越沖地震・中越地震でも心臓病「たこつぼ心筋症」の患者がいたとの調べもあり、「息苦しさや鈍痛など胸に異常を感じたら、すぐ循環器専門医の診断を受けてほしい」と注意を促しています。

尿漏れ尿失禁の原因

尿漏れ(尿失禁)とは、自分の意思に関係なく尿が漏れる状態です。我慢したくても尿が出てしまいます。男性女性を問わず中年になると尿漏れ(尿失禁)に悩むようになります。尿漏れ(尿失禁)は男性に比して女性に多い症状です。特に更年期以降の女性で尿漏れ(尿失禁)に悩んでいる人が多くみられます。女性に尿漏れ(尿失禁)が多い原因には、体の構造と更年期のホルモンが関係しています。女性の尿道は男性よりも短く尿道を閉める筋肉や骨盤内の筋肉(骨盤底筋)も弱いことに加えて、出産経験などの影響で筋肉をひき締める力は弱くなり、筋肉が緩むと膀胱や尿道は下がり気味になってしまい、尿道の閉まりが悪くなって尿漏れ(尿失禁)が起きてしまいます。
■尿漏れ尿失禁の原因
○直接排尿に関係する腎臓・膀胱・尿道などの衰え
○出産経験や更年期以降のエストロゲン(卵胞ホルモン)の減少
○肥満・便秘などによる膀胱や骨盤底筋への圧迫
○手や足の動きなど運動機能の衰え
○認知症などによる判断力の衰え
○糖尿病や脊椎・腰椎の病気

更年期女性の尿漏れ

成人女性の約30%に尿漏れ(尿失禁)があり、女性の尿漏れ(尿失禁)の6~8割が腹圧性尿失禁といわれています。更年期以降は、泌尿器周辺の筋肉が衰え、尿漏れ(尿失禁)だけでなく頻尿や残尿感など尿にかかわる悩みがふえることになります。更年期以降の尿漏れ(尿失禁)の原因には、出産経験に加えて筋力(尿道括約筋や骨盤低筋)そのものの低下や、更年期障害の最大の原因であるエストロゲン(卵胞ホルモン)の減少があります。更年期以降に尿漏れが現れてくる理由は、エストロゲンの減少で尿道括約筋や骨盤底筋が緩くなったり弱くなったりするためと考えられています。例えば、エストロゲンにより膀胱の粘膜や括約筋が萎縮しやすい結果、尿意を抑えられなくなります。また、肥満や便秘は膀胱や骨盤低筋を圧迫するので尿漏れの原因にもなります。
尿漏れ(尿失禁)の治療には、骨盤底筋などを鍛える運動療法、エストロゲンを補うホルモン補充療法、尿漏れを防ぐ手術療法など症状によって様々な治療方法があります。
お腹に力が入ると尿漏れを起こす腹圧性尿失禁の防止対策としては、骨盤底筋群を鍛える訓練や体操が有効とされています。尿漏れ(尿失禁)は人に相談しにくい悩みですが、尿漏れ(尿失禁)で困っているならば泌尿器科や産婦人科に相談して正確な診断をしてもらい治療をしましょう。

※尿漏れ(尿失禁)には、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁、機能性尿失禁などがあります。比較的新しい疾病概念の過活動膀胱と呼ばれるものもあります。

尿漏れの症状治療

尿漏れ(尿失禁)には、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁、機能性尿失禁などがあります。腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の複合型の尿漏れ(尿失禁)のこともあります。
■尿漏れ(尿失禁)の症状:腹圧性尿失禁
咳やくしゃみ・飛び跳ねたりすることでお腹に力が入った瞬間に尿が漏れてしまう尿もれです。腹圧性尿失禁の原因は、加齢や出産などで骨盤底筋群など膀胱や尿道を支える骨盤内の筋肉が弱くなることによります。膀胱がお腹の筋肉で少し押されただけでも尿が漏れてしまいます。腹圧性尿失禁は40代後半の女性に多いタイプの尿もれ(尿失禁)です。腹圧性尿失禁の治療は尿漏れ防止体操で骨盤底筋を鍛える運動療法や膀胱の収縮を抑制する薬物療法があります。
■尿漏れ(尿失禁)の症状:切迫性尿失禁
突然に尿意を感じてからトイレに行くまで我慢できずに尿が漏れてしまう尿もれで、多くは頻尿をともないます。切迫性尿失禁は排尿を調節する脳からの信号がうまくいっていないため、膀胱内に尿が溜まると突然強い尿意を感じて不随意的に膀胱の筋肉が収縮して尿が漏れてしまいます。切迫性尿失禁の治療は薬物療法になります。
■尿漏れ(尿失禁)の症状:溢流性尿失禁(いつ流性尿失禁)
排尿障害があるために少しずつ尿が漏れてしまう尿もれです。前立腺肥大など尿路に閉鎖性の病変があることで起きる尿漏れ(尿失禁)です。溢流性尿失禁の治療は、先ずは原因になっている疾患の除去になります。
■尿漏れ(尿失禁)の症状:機能性尿失禁
膀胱や尿道に異常はなく他の原因で尿が漏れてしまう尿もれです。機能性尿失禁の原因は、歩行障害などの体が不自由や認知症など、自力でトイレに行けないことによります。機能性尿失禁では周囲のケアが大切になります。

日常の尿漏れ対策

日常生活での尿漏れ(尿失禁)対策は、トイレを我慢する訓練や骨盤底筋を鍛える体操をして、肥満や便秘の解消をします。水分のとりかたも大切です。尿漏れが気になるからといって水分を控えるのは間違いです。排尿や便通を良好に保ち健康な体を維持するには水分を摂取する必要があります。1日の水分摂取量は1,000~1,500ccが目安です。また、尿漏れパッドなどを使えば、尿漏れを心配しないで外出したり活動できます。尿漏れ(尿失禁)で悩まず医師に相談するのも大切です。
■尿漏れ(尿失禁)対策:体操や訓練
膀胱の筋肉や骨盤底筋を鍛えます。腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の改善効果が期待できます。
■尿漏れ(尿失禁)対策:利尿作用のある刺激の強い飲み物を避けます。
お茶・コーヒーなどはカフェインを含みます。トイレが近いならば利尿作用のある成分を含まない刺激のない飲み物をおすすめします。
■尿漏れ(尿失禁)対策:便秘解消
便秘は膀胱を圧迫したり骨盤底筋を締めにくくする原因になります。尿漏れの原因になります。排便習慣や食物繊維・乳酸菌の摂取などで便秘解消しましょう。
■尿漏れ(尿失禁)対策:肥満改善
肥満は便秘と同じく、膀胱を圧迫したり骨盤底筋を締めにくくする原因になります。日常生活に適度な運動を取り入れて、食生活など生活習慣を見直すことで、体重をコントロールしましょう。
■尿漏れ(尿失禁)対策:尿漏れパッドなどを使う
尿漏れで気になるのが、尿が漏れることによる臭いや肌荒れです。漏れる量に応じたパッドを使って小まめに交換します。尿漏れで肌荒れを起こした場合は、お湯か無香料で低刺激の石鹸で軽く流します。痒みがある場合は医師に相談しましょう。

尿漏れ防止訓練体操

尿漏れ(尿失禁)の改善に膀胱の筋肉や骨盤底筋を鍛える訓練や体操が効果的とされています。だだし、すぐに効果が出るわけではありませんから気長に続けてください。尿漏れの症状が重かったり尿漏れ防止体操で改善が見られない場合は医師に相談してください。薬物療法や他の治療法が考えられます。
尿道には平滑筋(不随筋)と自分の意思で動かせる括約筋(随意筋)からなっています。括約筋を鍛えることは尿もれを防ぐことになります。また、骨盤内の膀胱などの臓器を支える骨盤底筋を鍛えることで尿もれを防ぐことになります。
■尿漏れ防止訓練体操:トイレを我慢する訓練
尿意を感じてもすぐにトイレに駆け込まないで我慢する訓練です。トイレを我慢する時間を最初は5分から始めて徐々に延ばします。薬物療法との併用が効果的といわれています。泌尿器科の医師に相談してください。
■尿漏れ防止訓練体操:骨盤底筋を鍛える方法
肛門と膣を一緒に締めたり緩めたりして尿の出口の筋肉である骨盤底筋群を鍛えます。
○尿もれ体操のコツ
尿漏れ防止体操のコツは、肛門と膣以外の筋肉に力を入れないで体全体をリラックスさせて行ないます。トイレに座って尿を途中で止めてみてください。止めたときに使っている筋肉が鍛える筋肉です。また、おならが出そうになった時にこらえようとするときをイメージしてみてください。こらえようとしたときに使う肛門を閉める筋肉が鍛える筋肉です。1セットは、収縮を5秒維持した後にリラックスして5秒です。この収縮と弛緩を1回につき10~15セット行います。1日何回でも構いませんし、姿勢は寝ながらでも椅子に座ったままでも良いです。

更年期女性の頻尿

頻尿とは昼間8回以上・夜間1回以上の排尿が目安になります。更年期で頻尿が増える原因は、エストロゲン(女性ホルモン)の減少で膀胱や尿道の粘膜が萎縮したり過敏になるため、それ程尿が溜まっていないのに尿意を感じるためといわれています。睡眠不足など日常生活に差し障りがでている場合は、薬物療法による治療が必要になります。更年期においては、頻尿のほかに、尿道粘膜が薄く弱くなるため起こる膀胱炎にも注意しなければなりません。頻尿に加えて排尿時の痛み・残尿感・尿の混濁がある場合は膀胱炎が考えられます。また、血液が混入・発熱・腰痛を伴う時には腎盂腎炎などの病気が考えられます。病院の受診をしてしっかり治療する必要があります。頻尿は病気のサインであることがありますから、恥ずかしがらずに泌尿器科か腎臓内科の受診をしてください。

過活動膀胱

過活動膀胱とは、突然の尿意切迫感・切迫性尿失禁・頻尿の症状が合わさった症候群のことで、文字の通り排尿筋が必要以上に活動してしまう状態です。がまんできない強い尿意、トイレが間に合わずに尿が漏れる、トイレが近いといった症状です。過活動膀胱の原因は、膀胱の周りの筋肉が不随意収縮(自分の意思に反したり、意思に関係なく収縮すること)をおこして尿道を締める力が働きにくくなるためです。過活動膀胱による不安や恥ずかしさなどで運動や外出・仕事や家事・気分の落ち込み・睡眠など生活の質(QOL)への悪影響があります。50歳代~80歳以上の男性に多い過活動膀胱ですが、40歳代では女性に多いようです。
普通の排尿は300ミリリットルです。ところがそれ程尿が溜まっていないのに膀胱が勝手に収縮してしまうため突然の尿意切迫感を感じます。過活動膀胱はきちんと治療を受けることで症状が改善されます。

更年期の不眠

更年期の不眠の原因は様々です。更年期になると不眠症でなかった人が睡眠障害を訴えるようになります。不眠(不眠症は睡眠障害のひとつ)の改善や治療は不眠の原因を取り除くことになりますが、更年期の不眠(睡眠障害)のメカニズムは複雑で、不眠が更年期障害の症状(不定愁訴)なのか他に原因があるかの鑑別が難しいことがあります。更年期障害の症状の不定愁訴のひとつの不眠では、卵巣の衰えにより、早朝覚醒や眠りが浅くなる傾向があります。また、更年期の睡眠障害の特徴は、手足の冷えで眠れない、夜間の急なのぼせや寝汗で目をさますなどの更年期症状が原因になって起きていることも多いことです。さらに、更年期障害にみられる精神症状(不安感・焦燥感・更年期うつなど)が絡まりあうと不眠(睡眠障害)の程度が強くなるといわれています。更年期症状を緩和するホルモン補充療法や漢方治療などで睡眠障害の改善も期待できます。不眠以外の更年期症状が改善しても不眠が続く場合は睡眠障害改善薬(睡眠薬)が処方されることもあります。更年期障害に加えて体内時計の変化も不眠の原因になっています。女性の体内時計は加齢に伴って早くなる(前にずれる)傾向があるため、就寝時刻はかわらないのに起床時刻が早くなります。これは早朝覚醒と呼ばれるもので、十分睡眠をとったという満足感が得られないことがあります。不眠以外の更年期症状もあるなら婦人科で、不眠だけなら心療内科や精神科で相談することをおすすめします。
更年期障害による不眠と思っていても、他の病気が原因で不眠(睡眠障害)になっていることがあります。例えば、アルツハイマー病の初期においては睡眠障害がありますし、一般に男性に多い睡眠時無呼吸症候群も女性ホルモンが少なくなる更年期以降は睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。また、心身症やうつ病などの神経科的疾患でも不眠(睡眠障害)の症状があらわれます。不眠で困っているならば専門医に相談することをおすすめします。

更年期は睡眠時無呼吸症候群に注意

更年期は睡眠時無呼吸症候群になりやすいともいえます。睡眠時無呼吸症候群は圧倒的に男性に多いのですが、女性も更年期になったら睡眠時無呼吸症候群に注意しなければなりません。女性ホルモンには脳の呼吸中枢を刺激する作用があります。更年期以降は女性ホルモンの分泌が減るために睡眠時無呼吸症候群が起こりやすくなるのです。一晩(睡眠7時間)に10秒以上の無呼吸が30回以上、または睡眠1時間の間に5回以上の無呼吸が起こる場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。思い当たるなら耳鼻科か呼吸器科を受診しましょう。睡眠時無呼吸症候群を専門に診ている医療機関もあります。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠障害のひとつで不眠を引き起こす原因になります。睡眠時無呼吸症候群は鼻・喉の病気がある人や、肥満体の人に発症しやすいいといわれます。気道が塞がるために空気の通りが悪くなるためです。 睡眠時無呼吸症候群の症状は、睡眠時の大きないびきとともに、無呼吸状態が何度も繰り返されます。無呼吸状態が終わって呼吸を再開するたびに一時的に目覚めて熟睡でず不眠の原因になります。睡眠時無呼吸症候群を放っておくと、集中力の低下や疲れによりQOL(生活の質)が低下するだけでなく、不眠による疲れから運転中の居眠りなどで大きな事故にもつながりかねません。また、無呼吸を繰り返すことで酸素不足になって心臓や血管に負担がかかり、高血圧・不整脈・狭心症・心筋梗塞・脳卒中などの合併症を起こすリスクが高まる恐い病気といってもよいです。睡眠時無呼吸症候群の治療をすることで集中力が回復し合併症の予防ができます。心当たりがある場合は早めに耳鼻科や呼吸器科を受診しましょう。

睡眠障害とは

睡眠障害とは、病気の観点からみた広範囲の睡眠に関する障害をさします。睡眠障害は睡眠異常、睡眠時随伴症、内科・精神科的障害の睡眠障害に大別され、いわゆる不眠症は睡眠障害のひとつです。睡眠障害はQOL(生活の質)を低下させるだけでなく事故の原因にもなることがありますから、睡眠障害の原因をつきとめて適切な治療が必要です。睡眠障害の原因は様々です。どの睡眠障害かを知る(何が原因で睡眠障害が起きているか)ことが睡眠障害の解消と治療につながります。
■睡眠障害:睡眠異常
○内在因性睡眠障害
内在因性睡眠障害の原因は睡眠障害が心理的または身体的によるもので、明らかな内科的疾患や精神科的疾患による睡眠障害は除外されます。内在因性睡眠障害には、精神生理性不眠(神経質性不眠、いわゆる不眠症)、ナルコレプシーなどの過眠症、睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群などがあります。内在因性睡眠障害の多くは原因を取り除くことで解消されますが。長い間睡眠障害が続いたりする場合は専門家の診断を受けて治療する必要があると考えられます。
○外在因性睡眠障害
外在因性睡眠障害の原因は、内在因性睡眠障害とは逆に身体の外にあります。例えば、騒音・暑さ・寒さ・コーヒーなどの過剰摂取です。外在因性睡眠障害の多くは原因を取り除くことで解消されます。
○概日リズム睡眠障害
概日リズム睡眠障害とは、体内時計のズレが原因で本来望ましい時間に睡眠できない睡眠障害です。体内時計に逆らった生活パターンが原因の時差症候群や交代勤務性睡眠障害のほか、不規則な生活を続けた結果に体内時計(生体リズム)そのもののが変調することが原因の睡眠相前進症候群・睡眠相後退症候群、非24時間型睡眠・覚醒症候群などの睡眠障害があります。
■睡眠障害:睡眠時随伴症
睡眠時随伴症とは、睡眠中に正常では起こりえない身体現象の総称です。睡眠時随伴症には、歯ぎしり・おねしょ・いびきのほかに、深い睡眠中に突然起き上がって歩き回る睡眠時遊行症や、睡眠中に叫び声とともに起き上がる夜驚症などがあります。
■睡眠障害:内科的疾患による睡眠障害
脳の器質性障害(アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・パーキンソン病など)に起因して不眠の症状が起こることがあります。
■睡眠障害:精神科的疾患による睡眠障害
精神障害に起因して不眠の症状が見られることがあります。特にうつ病は不眠の症状が多く認められます。

不眠症の症状

不眠症の症状には、入眠障害・中途覚醒・熟睡障害・早朝覚醒があります。一般にいう不眠症の多くが睡眠障害のひとつの精神性理性不眠(神経質性不眠)による一過性のものと考えられますが、不眠の症状が週3回以上で1ヵ月以上続くと慢性の不眠症と診断されます。慢性の不眠症は治療が必要です。不眠症の原因を突き止めることが不眠症の改善や治療の第一歩です。日本人の不眠症の症状で多いタイプは、入眠障害と中途覚醒です。なかなか寝付けない・寝付きがわるいのが入眠障害です。中途覚醒は、夜中に何度も目が覚める不眠症で、排尿などでおきる場合と、理由がないのに目が覚める場合があります。熟眠障害は、眠りが浅く熟眠できない不眠症で、目覚めたときに満足感があまりなく、目覚めが悪いのが特徴です。早朝覚醒は、寝付きや熟睡度はよいのに朝早く目覚めてしまい、再度眠ることができない不眠症です。不眠症の症状(入眠障害・中途覚醒・熟睡障害・早朝覚醒)が重なって起こることも少なくありません。
不眠症の改善には「睡眠障害の対応と治療ガイドライン」が参考になります。
■不眠症の症状:入眠障害
寝付きがわるい入眠障害は年齢に関係なくおきる不眠症です。床に入ってから1時間以上しないと寝付けないなら入眠障害の症状と考えられます。
■不眠症の症状:中途覚醒
中途覚醒は高齢者に多く、運動習慣のある人よりもない人に多い傾向があります。夜中に2回以上目が覚めて、その後なかなか寝付けないなら中途覚醒の症状と考えられます。
■不眠症の症状:熟眠障害
よく眠ったという満足感や実感が持てないなら、熟眠障害の症状と考えられます。
■不眠症の症状:早朝覚醒
早朝覚醒は高齢者に多くみられます。2時間以上早く目がさめてしまうなら、早朝覚醒の症状と考えられます。

不眠症の改善

不眠症の改善には、生活習慣や睡眠環境の改善が有効です。不眠症とまでいかないまでも不眠症予備軍かもしれないと感じているならば、生活習慣や睡眠環境を改善してみてください。不眠症の多くは一過性ですが、慢性的に不眠を強く感じている、睡眠中に激しいいびきがある・呼吸が停止する・足ぴくついたりむずむずする、十分眠っているいるのに日中眠気があるならば病院で診察をうけてください。
■不眠症の改善方法:8時間睡眠にこだわらない
必要な睡眠時間は個人差があって、季節でも変化しますし、年齢を重ねると必要な睡眠時間は短くなります。日中眠気で困らなければよいのです。
■不眠症の改善方法:就床時刻にこだわりすぎない
眠くなってから床に就くきます。眠くもないのに眠ろうと意気込むと頭がさえて寝つきを悪くします。早寝すれば早起きできるわけではありません。
■不眠症の改善方法:光を利用して体内時計を調整
目が覚めたら日光を取り入れて体内時計のスイッチをオンにします。就寝中の照明は明るすぎないようにします。夜眠くなる時刻を決めるのは就寝時刻ではなく朝起床したときに光にあたる時刻であることがわかっています。
■不眠症の改善方法:就寝前は、刺激物を避けてリラックス
就寝前4時間前のコーヒーなどの刺激物や就寝前1時間前の喫煙を避けます。自分なりのリラックス方法でリラックスします。軽い読書・音楽・ぬるめの入浴・ストレッチングなどの軽い体操が効果的です。
■不眠症の改善方法:毎日同じ時刻に就床
早起きが早寝につながります。
■不眠症の改善方法:規則正しい3度の食事と運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要です。夜食をとるならごく軽くものにしましょう。運動習慣は熟眠を促します。
■不眠症の改善方法:昼寝は就床15時間前の20~30分
長い昼寝はぼんやりのもとです。昼寝をするなら30分以内にし、就寝時刻の15時間前までの原則を守ります。
■不眠症の改善方法:眠りが浅いなら積極的に遅寝早起き
寝床で長く過ごしすぎると熟眠感が減ります。
■不眠症の改善方法:睡眠薬代わりの寝酒はしない
アルコールは依存性が高く、睡眠効果が徐々に低下します。

次のような場合は専門医による治療を受けることをおすすめします。治療薬として処方された睡眠薬は医師の指示に従い正しく使うことが重要です。
○睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止・足のぴくつき・むずむず感
○十分眠っても日中の眠気が強い

不眠症の治療

不眠症の治療には薬を使わない治療方法と薬物療法があります。薬を使わない不眠治療としては、入眠障害に効果的な刺激制限療法や、中途覚醒や熟眠障害に効果的な睡眠制限療法などがあります。不眠の薬物療法は主に睡眠障害改善剤(睡眠薬)の服用です。ただし、睡眠薬は対症療法であって不眠の根本原因を取り除くものではないことを忘れてはいけません。不眠の原因を取り除き、睡眠環境や生活習慣を改善することも睡眠障害・不眠症の改善治療には大切です。
■薬を使わない治療方法
○刺激制限療法:睡眠以外で寝室を使うことを制限する方法です。寝室へは眠くなったら入り、床について20分以上眠れないときは、いったん寝室を出て、眠気が出たらまた戻る。入眠障害に有効とされています。
○睡眠制限療法:寝床に長く入るほど、睡眠の質が低下するので、横になる時間を制限する方法です。まず、2週間ほど睡眠日記をつけてもらい、平均睡眠時間を調べる。次に、その時間以上床に入っていることを禁止する。 中途覚醒や熟眠障害に効果的とされています。
■薬物療法
不眠の症状には入眠障害、熟眠障害、中途覚醒、早朝覚醒がありますが、症状によって薬が使い分けられいます。最近の睡眠薬は安全性が高く副作用も殆どなく、医師の指示を守って服用する限り問題ないといわれています。不眠の薬物療法は主に睡眠障害改善薬(睡眠薬)の服用です。不眠の症状によって睡眠障害改善薬が使い分けられています。睡眠薬服用においては、アルコール類の併用は厳禁です。また、自己判断で飲む量を増やしたりてはいけません。医師の指示に従って服用することを守りましょう。

睡眠改善薬と睡眠薬は違う

睡眠改善薬と睡眠薬は違うのです。市販のいわゆる睡眠改善薬は抗ヒスタミン薬や生薬製剤で、気分を落ち着かせる、寝つきを良くする入眠改善効果をうたったものです。睡眠改善薬は病院で処方される睡眠薬(睡眠障害改善薬)とは異なり長期的な不眠治療には利用できないといわれています。睡眠改善薬は、何かのちょっとしたキッカケで崩れた睡眠パターンを修正するために利用するくらいがちょうどがいいのかもしれません。一方、病院で処方される睡眠薬(睡眠導入剤)は、睡眠改善薬と異なる成分の睡眠薬(睡眠導入剤)も多く、睡眠障害の症状程度によって種類分けされて、その成分の特徴から睡眠薬(睡眠導入剤)の服用する場合は医師の指示に従うことが大切です。自己判断で睡眠薬の量を変えたり服用を中断してはいけません。また、最近の睡眠薬は安全性が高いとはいえ、人によっては不都合な副作用が出ることがあります。睡眠薬(睡眠導入剤)による副作用が出た場合は医師に必ず相談する必要があります。